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考察・解説

  • 2023年11月4日
  • 2023年11月11日

『ゴジラ-1.0』戦後の日本が立ち向かったゴジラという戦争

「無(ゼロ)が負(マイナス)になる」 『ゴジラ-1.0』の舞台は戦後間もない日本だ。戦争で全てを失った日本に止めを差すかのようにゴジラが襲いかかる。 「ゴジラ映画」という高いハードル 毎年のようにゴジラ映画が公開されていた平成初期とは異なり、今「ゴジラ映画」を撮ることは、とてつもなく高いハードルを背 […]

  • 2023年10月28日
  • 2024年5月20日

『ザ・クリエイター/創造者』

2014年に公開された『GODZILLA ゴジラ』には度肝を抜かれた。 それはもちろん、ハリウッドのVFXで再構成された、ゴジラの重量感や破壊される街、水しぶきの細かさなど、日本の特撮では描写できなかった表現の素晴らしさも大きかったのだが、視覚的なものだけではないゴジラの描き方にあった。 日本人にと […]

  • 2023年10月27日
  • 2024年3月10日

『イントゥ・ザ・ワイルド』24歳で荒野に消えたクリストファー・マッカンドレスの生涯

「都会では自殺する若者が増えている」 井上陽水の名曲『傘がない』はそんな一節から始まる。 この曲が発売されたのは1972年。この年の日本の自殺者数は18015人だった。 いまや自殺者の数は年間3万人を越え、先進国の中では韓国と並んで自殺者の多い国となってしまった。 道端では政治家のポスターをよく見か […]

  • 2023年10月23日
  • 2024年3月10日

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』スコセッシが描くアメリカの闇「オセージ族連続殺人事件」の実話

ジョニー・デップの初監督作品となった『ブレイブ』はデップ自身のルーツでもあるアメリカインディアンをテーマにした作品だ。しかし、『ブレイブ』は批評的に失敗し、監督のデップは北米での劇場公開を断念する結果となった。 『ブレイブ』は美しい作品ではあるものの、どうしょうもなく救いのない作品でもある。その重さ […]

  • 2023年10月14日
  • 2024年3月10日

『007/カジノ・ロワイヤル』ヴェスパーが完成させた「007」

2005年10月、新しいジェームズ・ボンド役としてダニエル・クレイグが発表されたとき、『007』のファンからは一斉に批判が巻き起こった。 それまでのジェームズ・ボンドのイメージと反する、金髪のボンドだったからだ。 その頃を振り返ってダニエル・クレイグはこう述べている。「批判は子供の罵りのような言葉だ […]

  • 2023年10月13日
  • 2024年3月10日

『アメリカン・サイコ』妄想か?現実か?結末に隠された意味とは

クリスチャン・ベールはいわゆるカメレオン俳優としても知られている。役柄によって極端に見た目を変えてしまうからだ。 2004年に公開された『マシニスト』では1年間不眠症の主人公を演じるために80㎏から55㎏まで体重を落とした(本人としてはもっと落としたかったそうだが、医者に止められたという)。また20 […]

  • 2023年10月9日
  • 2024年3月10日

『図鑑に載ってない虫』三木聡の魅力満載!ダメ人間たちが輝く脱力系コメディー!

叶井俊太郎と倉田真由美の共著『ダメになってもだいじょうぶ—600人とSEXして4回結婚して破産してわかること』を買って読んでいるが、1ページ目から爆笑してしまった。「うっかり父の不在に気付かずのびのび育つ」そんなことってある?! 短くシンプルな文書だが、インパクトと笑いを誘う名文だ。 同著では叶井俊 […]

  • 2023年10月9日
  • 2024年3月10日

なぜ『紅の豚』は面白くなかったのか?

幼い頃からジブリ映画には親しんできた。 『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『魔女の宅急便』など、多くは金曜ロードショーで繰り返し放映されていたものだ。当時は小学生。両親が録画してくれたVHSを繰り返し姉弟で観ていた記憶がある。 だが、そんなジブリ映画の中でもあま […]

  • 2023年10月7日
  • 2024年3月10日

人生ほど重いパンチはない『ロッキー・ザ・ファイナル』はなぜ華麗な復活を遂げたのか?

1976年に公開された『ロッキー』はそれまでのアメリカン・ニューシネマの時代に終止符を打った。 60年代に始まったベトナム戦争は報道規制が敷かれなかったために、戦争の残酷さ、戦場の悲惨さを世界に知らしめることになった。アメリカ政府ははを大義に多くの若者をベトナムへ送り込んだが、彼らが戦場で体験したも […]

  • 2023年10月3日
  • 2024年3月10日

『007 スカイフォール』なぜMは「ユリシーズ」を詠んだのか?

『007』映画と言えば、いわゆるボンド・ガールと呼ばれる、ジェームズ・ボンドの相手役を務める美しい女性たちの登場も注目を集める。 最新作の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、アナ・デ・アルマスの美しさが話題になり、一躍人気となった。もっとも、今の時代の風潮として「ボント・ガール」という呼称も批 […]

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BLACK MARIA NEVER SLEEPS.

映画から「時代」と「今」を考察する
「映画」と一口に言っても、そのテーマは多岐にわたる。
そしてそれ以上に観客の受け取り方は無限大だ。 エジソンが世界最初の映画スタジオ、通称「ブラック・マリア」を作った時からそれは変わらないだろう。
映画は決して眠らずに「時代」と「今」を常に映し出している。

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