- 2024年5月19日
- 2024年5月19日
『キャリー』殺戮のシンデレラ
あれは確か小学生の頃だったか、夜中に姉と映画紹介のテレビ番組を見ていたら、血の入ったバケツがひっくり返って頭から血を浴びているドレス姿の若い女性の映像が映し出された。その衝撃は今でもよく覚えている。 もちろん、これを読んでいる人にはもうおわかりだろう。ブライアン・デ・パルマの名作ホラー『キャリー』だ […]
- 2024年5月16日
- 2024年5月17日
『ダイ・ハード4.0』
失語症により俳優業からの引退を発表したブルース・ウィリス。彼の代表作が『ダイ・ハード』シリーズであることに異論を挟む人は少ないだろう。 1988年に公開された『ダイ・ハード』は普通の男が自分の身に降りかかった不運をボヤきながらも、肉体だけでなく、頭脳と機転を駆使して悪と立ち向かう点が新鮮だった。 シ […]
- 2024年5月16日
ドナルド・トランプはハリウッド映画をどう変えたのか?
2017年1月、ドナルド・トランプが大統領に就任した。だが、ハリウッドの名優たちはこぞってトランプに反発した。 例えば、メリル・ストリープはゴールデン・グローブ賞の受賞式で、明言は避けながらもドナルド・トランプについて「無礼は無礼を招き、暴力は暴力を招く。権力者がその地位を使って他者をいじめたら私た […]
- 2024年5月14日
- 2024年5月20日
世界の終わりから雪解けまで ハリウッドは、冷戦をどう描いてきたのか
「我は死神なり、世界の破壊者なり」 このセリフは『オッペンハイマー』で原爆を開発したロバート・オッペンハイマーが、世界初の核実験であるトリニティ実験の成功の際に口にした言葉である。 第二次世界大戦終結後の世界 アメリカの原子爆弾開発には2つの理由があった。一つは戦争を早期に終わらせるためだ。だがこれ […]
- 2024年5月13日
- 2024年5月13日
『スパイナル・タップ』とマーシャル1959 JMP100
1984年に公開されたロブ・ライナー監督のカルト映画『スパイナル・タップ』。 架空のロックバンドであるスパイナル・タップのツアーを撮影したというモキュメンタリー、いわゆる疑似ドキュメンタリー映画だ。 いわゆる「ロックバンドあるある」を時に真面目に時に可笑しく盛り込んだ本作は世界中でカルト的な人気を博 […]
- 2024年5月6日
- 2024年5月6日
『タイタニック』時代考証の凄さと隠されたウソ
『タイタニック』の解説を書いた。『タイタニック』を恋愛映画としてではなく、フェミニズム映画として解説を試みたのだが、『タイタニック』について当時の制作秘話やインタビューを探っていくうちに、これはフェミニズムという側面からだけでは到底語り尽くせない作品だと痛感した。 だから、解説の方の『タイタニック』 […]
- 2024年5月6日
- 2024年5月20日
歴代『ターミネーター』シリーズが反映してきた時代とテクノロジーの進化
1984年に公開された『ターミネーター』がジェームズ・キャメロンの悪夢から生まれた物語というのは有名だろう。 ジェームズ・キャメロンの初監督作品は『ピラニア』の続編として1981年に公開された『殺人魚フライングキラー』というB級ホラー映画だが、キャメロンにとっては監督に抜擢されたにも関わらず、2週間 […]
- 2024年4月30日
- 2024年5月1日
『プロミシング・ヤング・ウーマン』#MeToo後の世界の歪んだ正義
「金曜日は楽しませてくれる悪い男の子が必要 日曜日に私を起こしてくれる優しい男の子とが必要 月曜日の夜には仕事場の男の子が来てくれる 全員欲しい」 『プロミシング・ヤング・ウーマン』はチャーリー・XCXの『Boys』という曲から始まる。 この歌詞だけ見ると都合の良い男だけを欲しがっている女尊男卑のよ […]